やきもち

2023年12月03日

 7時に目覚めて二度寝したら8時20分になっていた。慌ててパンを焼いて朝食を済ませて真っすぐ出勤した。のぼり旗立ててすぐに墓参に向かった。日曜日だから気持ちが緩むのだろうか、それとも単に疲れているだけだろうか。それとも加齢によるくたびれなのだろうか。

 

 墓参の時間が遅れてある人に会うことができた。妻の墓石の隣のその隣の墓石に眠っていらっしゃる人の奥様に出会った。この人のご主人も私の妻と同じ時期に、半年早かったかもしれない。他界されたらしい。初めて会ったときにそんな話を聞いた。私より二つ年上。だけど動作も機敏でお顔立ちも上品でいらっしゃる。私よりずっと若く見えるのかもしれない。

 

 こんな仕事をしているからだろうか、私は人と話をすることが好きなのである。妻と一緒に働いている時、お客様とよく話をした。特に、女性とはよく話した。やきもちを焼く妻の表情がよく分かった。特に美人だと、帰られた後に言っていた。あんた女好きやなあ、と不機嫌顔で。

 

 

 今朝も、あの人と2~3の言葉を交わした。妻の墓石の前で親しげに言葉を交わした。寝坊しちゃいましたと言葉を交わした。ひょっとして、墓石の妻がやきもち焼いたのだろうか。あのやきもち焼の妻が。ふと、今朝そんなことを思ってしまった。10歳年下の妻、可愛いやつ。

 

 浅田次郎の小説、「おもかげ」が第6章に入った。これから佳境に入っていく。恐らく、竹脇は死んでいくだろう。その時の奥様の気持ちが痛いほどに分かる。やっぱり、この本買わなきゃよかった。読むんじゃなかった。だけど今不思議、読み切ろうと思った。

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