今日はなんだか嬉しいな

2025年09月01日

 遠回りして帰ろうと思った。さっきの話し合いを、妻とふたりでもう一度反芻したいと思った。宍道湖の北側を車で走っている時、息子を介した妻の思い出が次から次と次と巡っていった。風景が涙で霞んだ。思い出の中でも、会えて嬉しいなと思った。そんな折、先日の盆に娘が言った一言を思い出した。「再婚しなよ」って。

 

 友達は欲しいけど、再婚はしないよ。俺にはさ、心の中になぎさがいるから再婚はしない。なぎさは今でも俺の女房だから。そしたら娘、「はいはい」と、一言応えてその会話は終わった。でも嬉しかった。私たちに気を使わないで好きなように生きろ、そういうことなんだと娘の気遣いが嬉しかった。いい娘達だと思った。

 

 玉湯町の入所施設で、施設の人と、島根県東部発達障害者支援センターの人と、私との3者で話し合った。病院で、身体拘束された息子の将来に灯りが見えた気がした。妻を失い、同じ日に息子が入院し、ひとりで悩み苦しんだ孤独な7年間。闇の中に、ポツンとちっちゃな灯火を見た。人生、まんざら捨てたものじゃあない。

 

多伎道の駅

 写真は今日の風景ではない。いつだったか、出雲市の道の駅「キララ多伎」の展望ホールから眺めた風景だ。風景は、いろんな顔を見せてくれる。同じ顔など、二度とありゃしない。

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