明泉寺のイチョウの木

2025年11月19日

 定休日の今日、8時に目覚めて、そろそろ起きなくちゃあと思っていたのに、再び目覚めたのが9時。こりゃあ大変だと、昨夜作っておいた卵サラダを食パンに塗って、牛乳で流し込んで、急いで服着て車に飛び乗った。さあ出発だ。

 

 息子は相変わらず身体拘束されていた。可哀そうで、心が痛んだ。でも今のところどうしようもない。後髪引かれるようだったが、出雲市の病院を後にした。朝、出かけようとした車の中、お客様から電話があって、2時までには帰るからと伝えてあったので、時間に少し余裕がある。遠回りで帰ろう。

 

明泉寺のイチョウ 立久恵峡を通って須佐神社横を通って峠を超えて掛合町に入った。すぐそこに、息子が入所していた施設がある。妻と何度、この道を車で走ったのだろう。そして行きには息子も乗っていた。懐かしい、懐かしすぎるこの道を今私は走っている。

 

 やがて左手に明泉寺のイチョウの木が見えてきた。なんて美しいのだろう。お寺の前の駐車スペースに車を止めた。8割どころの葉は散っていた。散った葉は、お寺の庭の地面を黄色く覆っていた。なんて神秘的なんだろう。なんて美しいのだろう。

 

 もう帰らなければ2時になってしまう。国道54号線に出た。ステレオのボリューム上げて、グレープが歌う「精霊流し」を聴いた。歌の最後に、こんな歌詞がある。

 「静かに時間が通り過ぎます

 あなたと私の人生をかばうみたいに」

 

 そしてこの歌を聴く度に、妻と私の人生を思うのである。帰り道にある黄色く染まったイチョウの木を見る度に、より強く思うのである。

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