時代

2024年11月03日

 久し振りに晴れた朝を迎えた。リビングのテーブルまで陽射しが届いて暖かだった。妻が眠る公園墓地も、柔らかな日差しに埋まっていた。いつものように墓石に頬ずりして、そしていつものように妻に話しかけた。いつも、取り留めもない近況を話す。ドジャースの優勝パレードの様子がテレビで放映されたよ。大谷がいて、そして奥さんがいたよ。

 

 俺たちも、あんな若い時代があったよね、と言った瞬間、突然心が躍った。なぎさ、今度の定休日に鳥取に行こ。思い出の鳥取の、観音院に行こ。ふたりで縁側に座って、抹茶を頂こ。あの時のように、縁側にふたり並んで抹茶を頂こ。な、そうしよ。今度の水曜日の定休日だよ。・・・昨日、ノートに歌詞をメモした中島みゆきが歌う「時代」が心の中を流れていった。

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