おもかげ

2023年06月17日

 先日買ってきた文庫本、浅田次郎の「おもかげ」を読み始めた。まだ読み始めたばかりなのでストーリーは分からない。定年退職でお別れの会を開いてもらった主人公。その帰りに電車内で倒れた。救急車で運ばれ、そして救急病院の集中治療室に入って意識がないまま3日目の夜がやって来た。

 

 私は集中治療室で5日間過ごしたことがある。初日の朝、心臓手術の全身麻酔で瞬時に眠った。夕方目覚めた時、最初に目にとまったのが妻の顔だった。え、何をそんなに心配そうにしている。どうしたって聞いたら、ここは集中治療室だよって答えた。手術が順調ではなかったらしい。

 

種 その夜、心臓の脈が時々1分間に150回を超えた。緊急ブザーが鳴る。その度に看護師さんが飛んでやって来る。今、150回を超えたんだよ、大丈夫?って。共振というのだろうか脈拍の振動が伝わって眠っているベッドを揺らす。そんなばかな、看護師さん地震なんですかと問うてみた。

 

 今朝、ブログのネタの写真をと思って事務所のまわりをひと歩きした。先日、花期が終わった茎を切り離したアマリリス。おや、種ができてふくらんでいる。切り離して何日経つのだろう。切り離されてもまだ種を付けるなんて、すごいなあ。そう言えば、私もまだ生きているんだ。こんなに元気になって。

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