石見ワイナリー

2022年12月29日

 先月から月一で入院中の息子との面会が許された。昨日の定休日、支払いを兼ねて出雲市の病院に行った。病室に入ると、薬が効いているのかぐっすりと眠っていた。それでもと思い、顔の近くで宗一郎とそっと名を呼んでみた。目を開いた。まだ夢の中だろう。だが、意識はありそうだ。少しの間、だけど長い時間に思われた。親父って、そんな顔をして私を見つめていた。そして再び、眠りの世界に入って行った。

 

三瓶山

 

 大晦日の日までは出勤する予定だ。でも、今日は今年最後の定休日。ひとりで今年も一年間頑張ったのだから、ねぎらってやろうと思った。三瓶山に向かうつもりだ。大田市市街地から北の原目掛けて走った。雄大な、冬の三瓶山が見えてきた。そして、路上は除雪してあるが、その除雪の雪が両サイドに積もっていた。なぎさ、雪だよって助手席の写真の妻に話しかけた。懐かしいな。奥出雲育ちの俺の田舎も雪がいっぱいだった。君の田舎の兵庫の八鹿も雪国だったよな。だからお互いに懐かしいな。

 

三瓶2

 

 一枚のCDが繰り返し回り続けている。山本潤子が歌う「中央フリーウェイ」ドライブの私たちには心地良かった。山本コータローの「岬めぐり」何度も何度も繰り返し聴いた。テンポは明るいが歌詞は寂しい。口ずさむと、声が詰まってきた。そして、なぎさってつぶやいてしまう。何度も何度もつぶやいてしまった。なぎさって。

 

三瓶3

 

 東の原に建設された岩見ワイナリーは雪に埋もれていた。雪かきしていた責任者風の男性が話しかけてくれた。僅かな時間に盛りだくさんの事柄を話した。ひとり寂しい私には嬉しい。心が温まってくる。寒いからお入りくださいの言葉に、店内に入った。彼の案内に目的の気に入ったワインが見つかった。よし、これで大晦日の夜を楽しもう。

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