好きだよ

2021年08月29日

駕籠石

 昼食用のサンドイッチを作っていた。パンに玉子載せて、その上に載せるキュウリをきざんでいる時、急に寂しくなってきた。朝の台所は、私を寂しくさせるそんな場所なのだ。リビングで、新聞読んでいる私がいる。台所に立つ、妻がいる。台所に立つと、その場面が蘇ってくるからだろう。

 

 想いは伝えるべきなのに私はそれを怠っていた。この頃、つくづくそう感じるのである。年を重ねても、恋人時代のように好きだよって言葉に表さなきゃあいけないんだ。後悔先に立たずとはよく言ったものだ。だから日課の墓参時に、好きだよって言っている。なんどもなんども好きだよって言っている。今では、遅いかもしれないけど。

 

 写真は、カフェ駕籠石庵の客席風景

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