秋の蚊や

2021年08月28日

 「秋の蚊や ふらふらと来てちくりかな」作者は誰だろうと思ってネットで調べるけれど分からない。事務所に一匹の蚊が入ってきた。腕にとまってちくりと刺そうとする寸前、ぴしゃり。仕留めたと思ったが目の前を飛んでいる。彼も、生きるのに必死だ。それにしても、蒸し暑いけどめっきり秋らしくなってきた。日暮れが早くなった。早朝のそよ風が涼しい。赤とんぼが群れている。

 

 昼にはまだ早いけど、スーパーマーケットに弁当を買いに行った。秋の味覚、舞茸弁当だ。明日の朝の食パンもサンドイッチパンも牛乳も、ついでに焼酎も買った。普段はおにぎり作ったり、サンドイッチ作ったりして持って出勤するのでマーケット弁当は週に一回だけ。でも、レジ係の中年、いや失礼可愛い女性と仲良くなった。

 

 朝あんなに爽やかに晴れていたのに昼になったら降ってきた。女心と秋の空。いや違うよ、男心と秋の空だよって、どこかからか聞こえてきた。秋は、なんとなく物悲しい。枯れ葉が散るからだろうか。半分白くなった頭髪が一本、パソコンのキーの上に落ちてきた。ふわりふわりと。

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