名もない花Ⅱ

2019年11月02日

花Ⅱ

 

 先日見かけた花が愛おしくなって・・・。

 

 名もない花は咲く場所を自ら選べない。風任せに、天候任せに落ちた場所で咲いていく。この花も、選りによってどうしてこんな場所に咲くのだろう。養分もなく、陽も当たらない場所。しかも風の通り道ときている。

 

 萩生田大臣が言った。「身の丈に合わせて・・・頑張ってもらえれば」と。人間だって、生まれる場所など選べやしない。東京で生まれ育った人間と、島根の山間地で育った人間との条件は同じではない。

 

 風の通り道だから、陽も当たらない場所だから、カメラのピントを合わすのが大変だった。何度も何度も撮り返した。でもこの花は、撮ってくれる人間がいるからいい。気にかける人間がいるからいい。でもそれは、懸命に生きている姿が見えるから。

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