娘と

2019年06月20日

尾道で

 嫁いで行った娘が、今月は火曜日と水曜日が休みだからおいでって言うもんだから先日行ってきた。水曜日は定休日だからいいけれど、行きたいから火曜日の仕事は午後2時で切り上げた。車は順調に走る。早く会いたい。早く話したい。まるで恋人に会うような。

 

 私の故郷の奥出雲町の酒造会社の日本酒と、松江市にある酒造会社のと2本を持って行った。一泊するのだから、婿殿とも飲みたい。三つのグラスに注ぐ酒は故郷の酒。うまい。少々値段が張ったものだから、娘を目の前に飲む酒だからその味は格別である。

 

 あくる日は娘と二人で尾道の坂道を歩いた。以前、妻と歩いたあの坂道を歩いた。ここを歩いて、ここも一緒に歩いたんだと娘に説明する。町に下りたら昼めし時、もちろん尾道ラーメンだ。

 

 夕方までちょっぴり早かったが疲れたので缶ビールを飲むことにした。グビッと一人の我が家で喉に流し込んだ。優しかった娘と歩いた尾道を思い出してみた。なぜか、両まぶたが頬を濡らす。

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