青石畳通り

2021年02月10日

 青石畳

 

 昨日の話である。目覚めたら雪が降っている。寒さを感じさせる小さな粉雪だ。風もなく、まっすぐに地上に落ちていく。やがて止んだ。そうだ、美保関に行ってみよう。濡れた青石畳通りを歩いてみよう。妻との思い出の場所を。・・・写真は青色フィルターをかけた。加工したものだが、条件によっては実際にもっと青く見える時がある。

 

 1時間かけて鍋料理の仕込みが終わった。休日なので明るいうちから夕食にする。早い時間に食べ終わった。さて、何をしよう。テレビもつまらないし、仏壇の引き出しに入れてある新聞の切り抜きを持って来た。亡くなった妻への想いを書いて採用された6回分だ。

 

 最初の1枚を読んだ。真ん中あたりまで読み進めた時、涙がにじむ。投稿した当時の想いが蘇ってきたのだろう。次第に、涙の粒はふくらんでいく。やがて表面張力を失って頬を伝っていく。右目からのは、あごに達して炬燵布団に落ちていく。左目からのは唇をかすめて落ちていく。涙って、塩っぱいんだ。かまうもんか、涙が涸れるまで泣き続けよう。

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