温風が吹いた

2020年11月09日

 長女夫婦は二人とも働いているので一緒に会えるのは土日だけ。幸いなことに昨日は仕事の予定がなかったので会うことにした。事務所に明かりを灯し、外出中の看板を出し、電話を転送に切り替えて出発した。婿殿の電子レンジなどの電気用品を車に積み込んで。娘がひとり暮らしで使っていたものだ。そう、もうすぐ婿殿は単身赴任。

 

 かあちゃん迎えに来たよって墓石に言う。一緒に行こうなって墓石に言う。娘に会えるから楽しいなって墓石に言う。日曜日とあって車の流れは遅い。3時間後、尾道に着いた。昼はノンアルコールビールで乾杯、たこ焼きパーティーだ。やっぱり家族っていいな。

 

 今朝、いつものように事務所前の掃き掃除をしていた。「幸せそうな人々達と岬を回る、ひとりで僕は」って歌詞が浮かんでくる。その意味が心にしみる。通学中の女子高生が、お早うの挨拶をくれた。突然、隙間風の心に温風が吹く。

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