2020年12月25日

 

朝日2

 空が白みかけた時、家を出る。行き交う車もまだ少ない。5分で事務所に到着する。開業準備を始めてると、朝日が昇り始める。民家の瓦屋根の向こうから明るさが増していく。この瞬間がいい。生きていこうと思うエネルギーがみなぎってくる。この朝日に、手を合わせた昔の人の心がこの年齢になって分かってきた。

 

 今朝の新聞の副見出しに、国会答弁誤り会見で陳謝とある。もちろん安倍前首相のことだ。衆院議員辞職の可能性を記者に問われ、初心に立ち返り、全力を尽くすことで職責を果たしたいと答えている。

朝日3

 

 私のような町の小さな不動産屋でも、確認不足で顧客に迷惑を与えぬよう努力する。例えば、この一戸建てを貸したいからと依頼を受けた場合、彼が真の持ち主かどうかを調査する。そうでなかった場合、なぜ彼が依頼してくるのかとその整合性を確かめる。

 

 当時の安倍首相はその確認を誤った。と言うより、確認をしようとする姿勢すら見せなかった。当然の結果、国民を欺くことになった。実は彼、補填の事実を知っていた。私はそう思う。だから118回もの嘘を重ねてきた。ひとつの嘘は、その人の言葉をみんな嘘にする。

 

 でも不思議である。あれだけの不誠実を重ねても平然としていられるあの厚顔な部分が。

ページトップ