平成最後の日

2019年04月30日

 平成の中ごろ、大きな病気で失業した。今後の生活を考えた。障害を持つ長男や、小学生の二人の娘もいたので結論を急ぎたかった。能力、体力などを考えたら不動産業が適していることに行き当たった。もうろうとする頭脳で宅建の資格に取り組んだ。まだ闘病中のことである。

 

 平成16年の暮れ、不動産業開業にこぎつけた。この業界では右も左も分からないまったくの素人である。とんとん拍子に行くはずもない。夫婦二人で意見の応酬である。要するに喧嘩だ。喧嘩しながらどうやら軌道に乗せたのは開業から5年ほど後のことである。

 

 長男が生まれたのが平成元年。消費税が始まった年だ。お産費用の支払いに消費税が必要とは意外だったことが平成の始まりだ。長女、次女が誕生し、我が家は5人家族となった。5人は、何をするにも行動を共にした。

 

 キャンプ、子供たち3人の水泳教室、長女・次女のバスケットボールの練習や試合の応援。子供たちが巣立って行ってからは夫婦は二人で旅行もした。こんな幸せって、私がこんなにも幸せでいいのだろうかとさえ思ったこともあるそんなある日、妻が突然あの世へと旅立って行った。昨年の4月のことである。・・・平成は、私たち二人の人生そのものだったと言っていいだろう。

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