金言時の大銀杏

2023年11月14日

 目覚めた時、金言時に行こうと思った。どうしてだろう。奥出雲町が私の出生地だからだろうか。それとも、妻と一緒に行った思い出を辿りたかったからだろうか。分からないが、なぜか目覚めた瞬間そう思った。金言時は、島根県仁多郡奥出雲町大馬木にある。

 

 まず、事務所に行って「かあちゃんの詩」日記を付けた。5分で書き終えて、いつもの花屋さんに行った。今日は年配の方の女店員さんが店番していた。寒くなったね。夜は湯たんぽで寝ているよ、などと他愛無い会話を2~3交わした。この花屋さん、通い始めて何年経つだろう。

 

屋根に銀杏が

 

 妻に花を手向けた。その足で国道9号線に出た。9号線から54号線に乗り替えた。道の駅「さくらの里きすき」のコンビニで温かい缶コーヒーを仕入れた。三刀屋町から314号線に乗り替えた。後は金言時を目指すのみだ。

大銀杏

 

 大銀杏は、葉をほとんど落として大木のみの姿になっていた。残念な気がしたが、駐車場に車を停めたらそうでもない気がした。寺の座敷前の縁側に土産物が少し並べて売られていた。座敷には、私ぐらいの年齢だろうか、大奥さんらしい女性が座っていた。なぜか、親しみを感じてしまった。

 

 女性の方から、私に声をかけてくれた。その柔らかい笑顔が私を引き付けた。つい、ひとりになってしまったことを話した。そんな人が何人か、ここを訪れたらしい。涙が出そうなほど、優しかった。ほんのつかの間の会話だったが、今日は来て良かったと思った。

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