は~やく来い

2023年02月22日

 朝早く家を出発して、出雲の息子に会った。出雲に来たらもう西に行くしかない。三瓶山に行くことにした。大田市市街地からいつものように北の原に向かった。三瓶ダムあたりから三瓶山の写真を撮りながらゆっくりと楽しんで車を走らせた。

 

三瓶

 

 北の原は何もかも閉ざされていた。レストランも、三瓶自然館の駐車場もみんな眠っていた。西の原に行く道さへ冬季閉鎖で通行止めになっていた。太陽の光さへ、遮断されているように感じた。風景が暗かった。三瓶山の偉大さもなかった。何もかもが冬眠中のように。東の原に向かう道を進むことにした。

 川

 所々圧雪した道をゆっくり走った。木漏れ日の中を進むとやがて風景が開けてきた。雪景色が眩しい。エアコンを消して運転席の窓ガラスを全開にしてみた。寒くなかった。春の風が頬を撫でていく。気持ちがいい。すれ違う車もない。後を追っかけてくる車もない。私一人が三瓶山を独占しているふうに感じた。ならば、誰もいないのなら叫んでみたい。なぎさー、なぎさー、なぎさー聞こえるかい

 

 頓原に向かって下ることにした。久し振りの天気に太陽の光が眩しかった。エアコンは消しっぱなし。少し開けた窓から吹き込んでくる冷たい風。それで室温のバランスが取れる。流れる川の雪解け水が騒いでいる。やがて、本当の春がやって来る。

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