カフェ 駕籠石庵Ⅱ

2021年08月14日

フィオーレ

 夏季休暇4日目、誰とも口をきかない日が三日続いた。正直辛い。止み間もなく降り続く雨、外は大雨だが、やはり「駕籠石庵」に行こうと決めた。轍にたまった国道の雨水をタイヤで蹴散らして車は進む。ザバ!ザバ!っと音を立て車は走る。昼ちょうどに大社に到着した。

 

 玄関を入ると、和服姿の店主が出迎えてくれた。これがピオーネだったかシャインマスカットだったか(私の失念)だよって、店主が玄関の鉢植えの葉をめくってひと房を見せてくれた。どうぞお上がりくださいの言葉に座敷の方を望む。漂う雰囲気、その空間は徐々に100年前にタイムスリップしていく。

 

 卵かけごはんセットを頂いた後、店主さんである奥さんが話し相手になってくれた。妻もいない盆。コロナ禍で子供たちも帰って来ぬ盆。コロナ禍で入院中の息子にも面会できぬ盆。ひとりぼっちの盆。こんな時に、長い時間話し相手になってくれた。ものすごく有難かった。車での帰り道の1時間、山本潤子の歌声に合わせて、永い間歌を忘れていた私が歌った。それほど嬉しい午後のひと時だった。

 

駕籠石

 

 庭の写真は、7月31日付のこの店主日記、「カフェ 駕籠石庵」で友達が眺めてる庭。大きな平たい庭の真ん中の石が「駕籠石」なのである。雨に濡れた石は、より活力が宿っているような、そんな気がするのは私だけ?。

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