うっぷり

2024年12月18日

 ドライブは楽しい。数日前からの計画を実行するため、奥出雲町に向かって車を走らせた。まず安来市の道の駅、あらえっさで大きなキャベツと白菜を仕入れた。そして広瀬町を通って亀嵩に行った。道の駅、酒蔵奥出雲交流館で仁多米でこさえた餅と、餅海苔とどぶろくを仕入れた。暮れに帰って来る娘達に「うっぷり」を作ってやりたいから。その後、今年最後のご先祖様のお墓参り。松江に帰って明日から値上るだろう車のガソリンを満タンにした。

 

亀嵩 その昔、当時平田市の「十六島」と書いて「うっぷるい」と読むのだが、そこで冬採れる岩海苔は上質で人気があった。それを十六島のおばちゃんたちが行商で売り歩いていた。現在の国道54号線を幹線として、その支線にある集落に売り歩いていたのだろう、その道のりはどうやら広島県の三次市まで到達していたらしい。

 

 その岩海苔の調理法なのである。直接その海苔に味付けするわけではない。私の育った仁多地方では、正月の雑煮をすまし汁でこしらえていた。湯がいた餅をそのすまし汁に入れてその上にたっぷりのうっぷるい海苔を乗せる。これが国道54号線沿いの民家の基本的な雑煮の作り方だ。三次市付近では、この雑煮を「うっぷり」と呼んでいた、と何かの書物で読んだことがある。このうっぷり、シンプルなのだが味はすこぶる旨い。

 

さあ、今日は楽しみにしていた同窓会がある。三沢中学校第18期生で、松江に住まう者たちのミニ同窓会だ。夕方、その会場に行くためにバス停まで歩いた。途中、三沢の隣の三成出身の40歳代の知り合いの女性に会った。どこへ行くのって聞くから、三沢中学校の同窓会だよって言ったら、三沢中学校なんてないよと帰ってきた。そう、もう50年も前に、仁多町の中学校は皆統合されて仁多中学校になった。そして我が三沢中学校はその姿を消したのである。

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