松江の湖上花火

2024年08月04日

桔梗 昨日の夕方、JR松江駅の前を車で走ってみた。やけに混雑してると思った。浴衣姿の人も見かけた。ああ、そうだ、今日は花火がある日なんだ。そんな行事ごとに、この頃とんと無関心になっている私に気が付いた。ふと、世捨て人という言葉が頭をよぎった。

 

 夜になった。ちゃんちゃん焼きをほおばりながら焼酎のお湯割りを飲んでいた。外はもう暗くなっていた。宍道湖からかなり距離がある我が家に、花火の音が聞こえてきた。最初、ドーンと一発鳴った。そしてまた一発。その音の間隔はだんだん短くなっていった。湖面に映る大輪の花火が目に浮かんだ。

 

 それにしても、昨夜は音がよく聞こえた。いつもの年より、花火の音は大きく聞こえた。音はあの時の記憶を蘇らせるのに十分な効果があった。息子がいた。そして妻がいた。違う年のこの日には、二人の娘もいた。思い出は、昨日のことのように鮮やかに蘇った。そして、懐かしくもあり、切なくもあり。そう思った。

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