ハート背負ったカメムシ

2024年07月13日

 突然の訪れのお客様には緊張しないけれど、数日前からの、内容が知れた時間指定の予約のお客様には緊張する。なぜなら、その間に十分な準備ができるはずなのだから。あれがなかった、これがなかった、準備ができていなかったとなると、こんな失礼な話はないからだ。

 

カメムシ 今朝の9時半に来店のお客様の最終の準備と点検をしていた。すべて整えておいてふうっと息をつく。もう少し時間がある。何気なく、玄関に目を向けた。あれは何だろう。小さな虫がガラス戸にこちらにお腹を向けて止まっていた。玄関を出て後ろに回った。おや、ハートが。

 

 カメムシの一種なのだろう、長さ5ミリほどの小さな虫だった。その虫が、きれいな形の黄色い小さなハートを背負っていた。可愛いなと感じた。おや、もしかして妻なのだろうか。ハートを背負って私に会いに来たのだろうか。大丈夫だよ、ハートなんか背負わなくても。俺の気持ちは変わりゃしない。・・・後一月すると盆がやって来る。生き物を見ると、つい、そんな気持ちになってしまう。

 

 この日記をアップしてから一時間が経った。インスタントコーヒーを淹れて籐製の椅子にくつろいだ。どこから入ったのだろう、ハートが床を歩いている。やっぱり、やっぱりお前はなぎさなんだ。なぎさって呼んでみた。歩みを止めた。触角を動かした。やっぱりそうなんだ。聞こえたんだ。

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