棚田

2023年05月06日

 記紀神話に八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の物語がある。スサノオノミコトがイナタヒメを八岐大蛇から救ったという話だ。奥出雲町を車で走っているといたるところに棚田を見ることができる。この両者は関係がない話ではないそうだ。棚田は、鉄穴流し(カンナナガシ)という砂鉄採集方法によって削られた山の山肌に作られた田んぼらしい。

 

 そんな太古の昔に、老夫婦の娘たちが毎年、次々と大蛇に食べられていく。ある書物で読んだことがあったが、これは人の命をも奪っていく水害を言ったたものではないかと。八岐大蛇の8個の頭と、8本の尾は斐伊川の数々の支流だという。それを退治した時に流れ出た血液が斐伊川を赤く染めた。これは、鉄穴流しで大量に流れ出た土砂の濁りではないかと。

 

棚田

 

 そして、退治した八岐大蛇の尾からは大刀が出てきた。これは鉄穴流しとたたら製鉄のことらしい。先日行った奥出雲町でこの棚田を見た。記紀神話はこれを編纂した人々のロマンだと思った。そして日本人てなんて素晴らしいセンスの持ち主なんだろうと、この写真を見て思った。私にも、その血が流れているのだろうか。そして彼女は、何を思い描いてこの写真を写したのだろうか。

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