タンポポの花

2024年04月07日

 陽光の暖かさにつられて事務所近くを散歩した。タンポポの花が地面にへばり付くように茎をのばさずに咲いていた。3個の花をつけたその株はコンクリートの隙間から葉を伸ばしていた。よりによってこんな場所に咲かなくてもいいだろうに。と思って見たが、彼らは咲く場所を選べないんだということに気が付いた。咲く場所も風任せなのだ。

 

タンポポ

 ふとある日の「NHK子供科学電話相談」を思い出した。草花は、あんな所でも案外順調に育つそうだ。根を伸ばしたコンクリートの下には土がある。そして水分も栄養も豊富だとか。だから心配しなくていんだよと、電話の相談の子供に相談員はラジオで答えていた。そうなんだねと私もこの年齢になってやっと分かった。

 

 人も、生まれる場所の選択なんかできないじゃないかと、そう思った。生きていくうちにも様々な出来事に遭遇する。そんなことが相まって、大金持ちもいればそうでない人たちもいる。幸福そうな人もいればひとりぼっちの人もいる。だけど、土壌は同じだよ。土があって、水分も養分もいっぱいいっぱいあるんだよ。そう我が身に思い聞かせた。

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