心のゆらぎ

2024年04月04日

 昨日、定期診察日だったのでいつもの病院に出かけた。受付を終えたら処置室で採血をしてもらう。時には同じ看護師さんの場合もあるが、行く度にその顔触れは違っている。昨日は年配の女性だった。名を呼ばれた瞬間、なんとなくこの人なら、そんな心の温もりを感じた。

 

 椅子に座って腕をまくった。その腕を見て看護師さん、「荒れているね」。肌のことである。「うん、乾燥肌でね、痒くてかきむしったもんだから」。「そうなんだ。体も?」。「うん、全身。ひとり暮らしだから心が乾燥する。すると体も乾燥するらしい」。そんな冗談を言ってみた。

 

 「え、奥さんは?」。左手の薬指の指輪をを見たという。「先日、七回忌を終えたんだよ。二人の娘も出て行っちゃって今はひとり暮らし。それに息子は入院してる。どうして僕はこんな人生なんだろうね」。「でも、もっと寂しい人はいるから。それに、いろんなこと乗り越えた人は強くなる。あなたは優しそうだし、きっと幸せになるわ」。

 

 今朝起きて、アスファルトを打つ雨音を聞いていたら、無性に寂しくなってき。本当なら今この時間は、テーブルに向かい合って二人で朝食摂りながら談笑してるのに。そう思ったら一層寂しくなってやりきれなくなってきた。だから、昨日の看護師さんとの会話を思いだそうとした。そうだよな、幸せにならなくちゃあな。乗り越えなくちゃあな。

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