2024年04月02日

 暖かい朝日を浴びて桜の花も嬉しそうだ。大庭町の公園墓地の桜も微笑みながら私を迎えてくれた。やあお早う、今日は暖かいねとそう呼び掛けて微笑んでいた。ここの桜と顔見知りになってもう6年が経ってしまった。早い月日の流れを感じてしまう今日この頃なのである。

 

公園の桜

 

 妻が亡くなったのは、2018年4月23日の早朝だった。妻の妹親子、娘たちふたり、そして私が見守る中、静かに静かに息を引き取っていった。お父さん、今からあっちへ行くね、そう言ったように私には聞こえた。そうか、今から行くんだね、本当に行ってしまうんだね。そう思った。

 

 その夏、ここの公園墓地の一角を松江市から借り受けた。そして納骨を無事終えた。その時には桜の木があることさえ分からなかった。明くる年の春、桜の花が咲くことに気が付いた。ああ、ここにはたくさんの桜が咲くんだとその時初めて知った。以来ここの桜は、春になるたびに私の心を和らげてくれている。そして妻が亡くなったあの日の記憶が懐かしく蘇ってくる。

 

 もう直ぐ命日がやって来る。私の寝室には妻の仏壇が置いてあり、亡くなったあの時のカレンダーが壁にそのまま掛けてある。掛け時計は、妻が亡くなったその時間を差して止まっている。ふたりの部屋だったこの部屋は、ふたりの思い出がいっぱい詰まっている。

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