日誌

2024年03月11日

 七回忌法要が六日後に迫ってきたからだろうか、仕事が手に着かない。ふたりの娘が帰って来るからだろうか、それとも孫に会えるからだろうか。妻の魂により深く触れ合える、そんな気がする法要が近づくからだろうか。なんだか私自身でも分からないが落ち着かなくて、そして仕事が手に着かないでいる。

 

日誌

 

 妻が生前最後の日まで付けていた日誌風メモ帳がある。それが、私が事務所に持って来た末娘が使っていた小さなステレオの、その本体の横に立てかけてある。妻が恋しくなった時、時々開いて見ている。懐かしい。几帳面な、その反面、大きく崩した文字が懐かしい。

 

バースデイ 最後の文字に「あーすけが事ム所へ」とある。あーすけとは、私が長女の名前の頭文字のあを取って「あー助」と呼んだのが始まりだ。普段、妻は「あ・・・ちゃん」と呼んでいたのだが、メモにはこんなふうに書いていた。長女が何かをコピーしに事務所にやって来たんだと思う。

 

 この日記の、早いページあたりに月別のカレンダーがあって、そこに予定を書き込むようになっている。この写真は、3月3日、私の誕生日なのである。「OTO」とあるのは、「お父」という意味であるが、自分を含め、家族全員の誕生日に、それぞれの名前と共に、このように書き込んでいた。どんなに家族思いな、どんなに家族を愛した、妻だったのだろう。

ページトップ