続立冬

2022年11月08日

イチョウ 「行く前に、100円ショップ寄ってね。思いついたの」

 

 帰り道、いつものように軽快に車は進む。車内は会話が溢れてる。テンポよく、他愛もない会話が続く。他愛もない会話だけれど、所々に人生がこぼれるのはどうしてだろう。互いに、苦労の結果だからだろうか。そして彼女バッグを開けた。そしておもむろに小瓶を取り出した。「これ、どこか飾っといてね。寂しくなくなるよ」

 

 銀杏の木の下で、彼女体を沈めて落ち葉を拾っていた。長居するからねって言っていたように念入りに落ち葉を拾っていた。長い時間落ち葉を拾っていた。・・・行く前からそうしようと思っていたんだね。思いついたの。今朝、それがやっと分かった。ありがとうね。知り合いから、友達になれたんだね。

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