昨年のドライブ日和を見ると、ちょうどこの頃津和野に行っている。その時は、津和野じゃなきゃいけないという目的があった。今回は、目的を持たず、気の向いた町で宿泊しようとの思い付き、そしてのドライブ旅行である。

城跡

 

 コロナ禍の中、他県にはあまり行きたくない。西に向かって走ることにした。9時、松江市を出発。出雲市を過ぎて大田市に入ったところで晴れ間が出てきた。ドライブ日和になってきた。江津市に入ったら町の風景がみたくなった。旧国道で江の川を渡る。え、これは? 赤みを帯びた茶色くうなる濁流がすぐ目の下に見える。おびただしい流木の数。ひょっとしたら上流が・・・

 

 高津川は国道9号線に沿って流れている。この川もかなりの水かさだ。どうやら、今回の大雨は島根県西部に本格的に降ったらしい。そうこうしているうちに、看板は日原町を説明していた。道の駅「ミルクウェイにちはら」の駐車場に停車する。少し考えて、やっぱり津和野だよね。

旧居

 

 津和野駅前のビジネスホテルを予約して車を預ける。森鴎外の記念館に行こうと決める。今日はここだけ。ずいぶん歩いて到着した。旧居を訪ねる。1862年から10年間、彼はここで暮らした。

稲荷神社

 

 コーヒーが飲みたくなった。喫茶店に入りたい。観光客を相手にするより地元の人をもてなす店がいい。路地も歩いてみる。これが、知らない町を歩く醍醐味なのである。これが楽しくてたまらない。お、こんな所にあった。喫茶店があった。年配の女性がカウンターに一人いた。こんな店がいい。

 

 あくる日は早く起きて太鼓谷稲荷神社に行った。神主たちや巫女たちが朝の掃除をしている。観光客はまだ誰もいない。稲荷神社をひとり占めだ。霧雨が赤い社殿を輝かせている。雨の日でも、斜光が建物を浮かび上がらせる。だから、朝早くに出かけるのだ。